①現物分割
不動産の全部又は一部を売却して金銭に換え、分割する方法です。①の様に不動産を分割することが不可能であったり、不都合がある場合などに有効です。 しかしながら、伊藤家のケースでは不動産に長男家族が居住していますので、売却してしまったら住むところがなくなってしまいます。 相続があったからといって、簡単に売却するという決断は難しいですね。

②換価分割
不動産の全部又は一部を売却して金銭に換え、分割する方法です。①の様に不動産を分割することが不可能であったり、不都合がある場合などに有効です。 しかしながら、伊藤家のケースでは不動産に長男家族が居住していますので、売却してしまったら住むところがなくなってしまいます。 相続があったからといって、簡単に売却するという決断は難しいですね。

③代償分割
特定の相続人が、相続分を超える現物不動産を取得する代わりに、金銭などの自己の固有財産をほかの相続人に対して支払う方法です。 伊藤家のケースでは、おもな遺産が４０００万円の自宅不動産で、相続人は長男、次男の２人兄弟です。長男がこの自宅不動産を相続し、次男に１０００万円を支払う場合などがこの方法に該当します。 これが出来れば、ある程度平等に不動産を分割することが出来ますが、本件の場合、長男が相当程度の自己資金を準備しなければならず、難しい状況になっています。

④共有分割
不動産に対し、複数の相続人で持分を定め、共有名義にする方法です。 不動産の分割に便利なので、不動産を共有で相続することも多いのですが…後になって何らかの問題が発生することが多く、「問題の単なる先送り」となってしまう場合が多いのです。 伊藤家のケースにおいて、自宅不動産を兄弟が持分２分の１ずつで共有分割したとします。 このときは、平等に仲良く分けたような気になり、その後の兄弟仲がよく、問題が起こらなかったとしても、この兄弟にさらに相続が発生した場合、孫同士、いとこ同士の共有になってしまうのです。共有人数が増えて権利関係が複雑になり、将来的に問題が大きくなるだけです。 たとえば、建物の建て替えが必要となった場合、建物を共有で相続すると、共有者全員の同意が必要となりますが、例えばお互いの事情を理解しづらい、疎遠ないとこ同士が話し合いでこの問題を解決していくことは実際問題として難しいでしょう。 売却予定である等一定の場合を除き、不動産を共有で相続することは、避けたほうがよいようです。